○大月市介護サービス事業者等指導実施要綱

令和4年5月16日

告示第41号

大月市介護サービス事業者等指導実施要綱(平成23年大月市告示第21号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第23条の規定に基づき、法第42条の2第1項に規定する指定地域密着型サービス事業者、法第46条第1項に規定する指定居宅介護支援事業者、法第54条の2第1項に規定する指定地域密着型介護予防サービス事業者若しくは法第58条第1項に規定する指定介護予防支援事業者(以下「介護サービス事業者等」という。)に対して行う介護給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)に係るサービスの内容、介護給付に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求に関する報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示及び質問に基づく指導について、基本的事項を定めることにより、介護給付等対象サービスの質の確保及び保険給付の適正化を図ることを目的とする。

(指導指針)

第2条 指導は、介護サービス事業者等に対し、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)、指定地域密着型介護サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)、「指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年厚生労働省令第36号)、「指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年厚生労働省令第37号)、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第20号)、「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第126号)、「指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第128号)、「指定介護予防支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第129号)、「厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成27年厚生労働省告示第93号)(以下「基準等」という。)に定める介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを方針とする。

(指導の形態)

第3条 指導の形態は次のとおりとする。

(1) 集団指導 集団指導は、指定地域密着型サービス事業者、指定居宅介護支援事業者及び指定地域密着型介護予防サービス事業者に対し、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容、制度改正内容及び高齢者虐待事案をはじめとした過去の指導事例等に基づく指導内容について、年一回以上、一定の場所に集めて講習等の方法により行う。なお、オンライン等(オンライン会議システム、ホームページ等。以下同じ。)の活用による動画の配信等による実施も可能とする。

(2) 運営指導

 運営指導の形態 運営指導は次のからの内容について、原則、実地に行う。また、市長が単独で行うものを「一般指導」とし、厚生労働大臣及び山梨県知事若しくは市長、又は山梨県知事及び市長が合同で行うものを「合同指導」とする。なお、からの実施については、効率的な実施の観点から、それぞれ分割して実施することも差し支えない。

(ア) 介護サービスの実施状況指導

個別サービスの質(施設・設備や利用者等に対するサービスの提供状況を含む。)に関する指導

(イ) 最低基準等運営体制指導

基準等に規定する運営体制に関する指導((ウ)に関するものを除く。)

(ウ) 報酬請求指導

加算等の介護報酬請求の適正実施に関する指導

 実施頻度 運営指導は、原則として指定の有効期間内に少なくとも1回以上、指導の対象となる介護サービス事業者等について行う。なお、地域密着型サービス(居住系サービス又は施設系サービスに限る。)については、3年に1回以上の頻度で行うことが望ましいものとする。

 運営指導の内容 運営指導の実施に当たっては、基準等への適合性に関し、介護サービス事業者等による自己点検を励行するものとし、(ア)及び(イ)については、介護サービスの質の確保、利用者保護等の観点から重要と考えられる標準的な確認すべき項目(以下「確認項目」という。)及び標準的な確認すべき文書(以下「確認文書」という。)に基づき実施する。なお、サービス種別ごとの確認項目及び確認文書については別に定める。また、運営指導((ア)及び(イ)に限る。)において、確認項目以外の項目は、特段の事情がない限り確認を行わないものとし、確認文書以外の文書は原則求めないものとする。

(指導対象)

第4条 指導は、本市行政区域内に存し、かつ、本市が指定を行った全ての介護サービス事業者等を対象とし、効率的な指導を行う観点から、毎年度、一定の計画に基づき行う。

(1) 集団指導の対象 集団指導は、市長が指定の権限を持つ全ての介護サービス事業者等を対象に行う。なお、市長は、その指導内容により、サービス種別毎の実施や新規指定又は管理者の変更があった介護サービス事業者等を対象として別途実施する等、より一層内容の理解が図られるよう努める。

(2) 運営指導の対象

 一般指導 実施頻度や個別事由を勘案し、原則毎年度、計画的に実施できるよう市長が、介護サービス事業者等を選定する。

 合同指導 一般指導の対象とした介護サービス事業者等の中から選定する。

(3) 山梨県知事との連携 山梨県知事と連携を図り、必要な情報交換等を行うことで適切な集団指導及び運営指導の実施に努めるものとする。

(指導方法等)

第5条 指導方法は、次のとおりとする。

(1) 集団指導

 実施通知 市長は、集団指導の日時、場所、出席者、指導内容等を文書により当該サービス事業者等に対して原則として2月前までに通知する。

 指導方法 実施に当たっては介護サービス事業者等に対して、指導内容の理解を深めるため質問や個別指導等の機会を設ける等、工夫するとともに、実施体制等により単独での実施が困難な場合は、山梨県又は市町村が合同で実施することを検討する。また、市長が集団指導を実施する場合、その内容について山梨県管内での整合を図るため、相互に事前の情報提供を行う等、連携を図るものとする。なお、集団指導に参加しなかった介護サービス事業者等に対しては、使用した資料の送付等により確実に資料の閲覧が行われるよう情報提供するとともに、オンライン等の活用による動画の配信等による場合は、配信動画の視聴や資料の閲覧状況について確認する。

(2) 運営指導

 実施通知 市長は、指導対象となる介護サービス事業者等を決定したときは、次に掲げる事項について、文書により、当該介護サービス事業者等に原則として1月前までに通知する。ただし、指導対象となる介護サービス事業者等において高齢者虐待が疑われる等の理由により、あらかじめ通知したのでは当該介護サービス事業者等の日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に次に掲げる事項を文書により通知する。

(ア) 運営指導の根拠規定及び目的

(イ) 運営指導の日時及び場所

(ウ) 指導担当者

(エ) 介護サービス事業者等の出席者(役職名で可)

(オ) 準備すべき書類等

(カ) 当日の進め方、流れ等(実施する運営指導の形態、スケジュール等)

 指導方法 運営指導は、関係者から関係書類等を基に説明を求め面談方式で行う。なお、施設・設備や利用者等のサービス利用状況以外の実地でなくても確認できる内容(最低基準等運営体制指導及び報酬請求指導に限る。)の確認については、情報セキュリティの確保を前提としてオンライン等を活用することができる。活用に当たっては、介護サービス事業者等の過度な負担とならないよう十分に配慮する。

 運営指導の留意点

(ア) 所要時間の短縮等 運営指導の所要時間については、確認項目を踏まえることで、一の介護サービス事業者等当たりの所要時間をできる限り短縮し、介護サービス事業者等と市双方の負担を軽減し、運営指導の頻度向上を図る。

(イ) 同一所在地等の運営指導の同時実施 同一所在地や近隣に所在する介護サービス事業者等に対する運営指導については、できるだけ同日又は連続した日程で行うなどにより効率化を図る。

(ウ) 関連する法律に基づく監査の同時実施 老人福祉法等介護保険法に関連する法律に基づく監査との合同実施については、介護サービス事業者等の状況も踏まえた上で、担当内で調整を行い、同日又は連続した日程で行うこととする。

(エ) 運営指導で準備する書類等 運営指導において準備する文書は、原則として、前年度から直近の実績に係るものとし、介護サービス事業者等に対して運営指導の事前又は当日に提出を求める資料及び書類の写等については1部とし、市が既に所有している文書(新規指定時、指定更新時及び変更時に提出されているもの等)については、再提出を求めない。また、介護サービス事業者等において作成、保存等が行われている各種書類について、当該書類に代えて電磁的記録により管理されている場合は、ディスプレイ上で内容を確認することとし、別途、印刷した書類等の準備や提出は求めない。

(オ) 利用者等の記録等の確認 利用者等ヘのサービスの質を確認するためにその記録等を確認する場合は、特に必要と判断する場合を除き、対象は原則として3名以内とする。ただし、居宅介護支援事業所については、原則として介護支援専門員1人あたり1名から2名の利用者について、その記録を確認する。

 指導結果の通知等 運営指導の結果、人員、施設及び設備又は運営について改善を要すると認められる事項がある場合、介護報酬請求について不正には当たらない軽微な誤りが認められ過誤による調整を要すると認められる場合は、後日文書によってその旨を通知する。

 報告書の提出 市長は、当該介護サービス事業者等に対して、文書で通知した事項については、文書により報告を求めるものとする。

(監査への変更)

第6条 運営指導を実施中に次の各号のいずれかに該当する状況を確認した場合は、運営指導を中止し、直ちに大月市介護サービス事業者等監査実施要綱(令和4年大月市告示第40号)の定めるところにより監査を行い、事実関係の調査及び確認を行うものとする。

(2) 介護報酬請求について、不正を行っていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(3) 不正の手段による指定等を受けていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(4) 高齢者虐待等により、利用者の生命又は身体の安全に危害を及ぼしていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(指導にあたっての留意点)

第7条 指導は、指導に関するマニュアルに基づき行うものとし、特に次の事項に留意するものとする。

(1) 高圧的な言動は控え、改善が必要な事項に対する指導や、より良いケア等を促す助言等については、介護サービス事業者等との共通認識が得られるよう留意する。

(2) 適正な事業運営等に関し効果的な取り組みを行っている介護サービス事業者等については、積極的に評価し、他の介護サービス事業者等へも紹介する等、介護サービスの質の向上に向けた指導を行う。

(3) 運営指導は、基準等に基づき行うものとし、担当職員の主観に基づく指導や、当該介護サービス事業者等に対する前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導は行わない。

(4) 運営指導における個々の指導にあたっては、具体的な状況や理由を聴取し、根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行う。

(5) 運営指導の際、介護サービス事業者等の出席者については、必ずしも事前に通知した者に限定することなく、実情に詳しい従業者や介護サービス事業者等を経営する法人の労務・会計等の担当者が同席することは差し支えない。

この告示は、公布の日から施行し、改正後の大月市介護サービス事業者等指導実施要綱の規定は令和4年4月1日から適用する。

大月市介護サービス事業者等指導実施要綱

令和4年5月16日 告示第41号

(令和4年5月16日施行)