○大月市消防本部火災予防違反処理規程
平成31年3月28日
大消訓令第2号
目次
第1章 査察基準(第1条―第11条)
第2章 違反処理基準(第12条―第34条)
附則
第1章 査察基準
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に基づく、査察の執行及び火災の予防に関する違反処理について必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この規程における用語の意味は、法の例によるもののほか、次の各号に掲げるものとする。
(1) 査察 立入検査等による火災予防法令違反又は火災危険等の発見から、違反の是正又は火災危険等の排除を促すまでの一連の作用をいう。
(2) 査察員 査察業務に従事する職員をいう。
(3) 査察対象物 管轄区域内の消防対象物のうち、査察を行う対象のものをいう。
(4) 違反処理 警告、命令、特例認定の取り消し、許可の取り消し、告発、過料事件の通知、代執行等によって、違反の是正を図るための行政上の処置をいう。
(査察員の編成)
第3条 査察は、2人以上で実施し、査察員のうち1人は消防士長以上の階級にある者とする。
(査察の種別)
第4条 査察の種別は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 通常査察 年間の査察実施計画に基づいて行うもの。
(2) 特別査察 消防長が特に必要と認めた場合に行うもので、通常査察に優先するもの。
(査察実施計画の作成)
第5条 消防長及び消防署長(以下「消防長等」という。)は、年度の査察実施計画を作成しなければならない。ただし、火災の発生状況又は社会情勢等により必要と認めた場合は、査察実施計画を変更することができる。
(査察事項)
第6条 査察は、査察の種別及び消防対象物の状況に応じ、次に掲げるものの位置、構造、設備及び管理の状況等の全部又は一部について行うものとする。
(1) 防火管理者、防災管理者及び危険物取扱者等
(2) 防火、防災に係る消防計画及び予防規程
(3) 自衛消防組織及び消防訓練
(4) 消防用設備等及び危険物施設の点検
(5) 防火区画、階段、内装、非常用進入口等
(6) 火気使用施設及び器具
(7) 電気施設及び器具
(8) 消防用設備等
(9) 危険物、指定可燃物及びこれらの関係施設
(10) ガス関係施設及び火薬関係施設
(11) 前各号に掲げるもののほか、火災予防上必要と認められる事項
(立入検査結果通知書の交付)
第7条 査察員は、立入検査を行った結果について、関係者に対して立入検査結果通知書(以下「通知書」という。)(様式第1号)により通知するものとする。
(資料の提出命令及び報告の徴収)
第8条 査察員は、関係者に対して、査察対象物の実態を把握するため必要な書類その他の物件(以下「資料」という。)について任意の提出を求め、又は火災予防上必要があると認める事項について任意の報告を求めることができる。
5 消防長等は、第3項の資料保管書を交付した資料について、保管の必要がなくなったときは、資料保管書と引換えに当該資料を当該関係者に返還しなければならない。この場合において、資料保管書に返還及び受領した旨を記載するものとする。
(違反改善計画書等の提出)
第9条 消防長等は、立入検査によって違反事項を確認し、即時是正できない違反事項に関しては、違反改善(計画)報告書(以下「改善計画書」という。)(様式第9号)の提出を求めるものとする。
2 改善計画書の提出は、通知書の交付の翌日から起算して14日以内とする。ただし、特別な理由がある場合はこの限りでない。
3 査察員は、関係者より違反事項の改善が報告された場合は、直ちに確認のための立入検査を実施しなければならない。ただし、届出書類等で改善が確認できる場合はこの限りでない。
(関係官公署への協力依頼)
第10条 消防長等は、査察の実施に必要があると認められるときは、火災予防関係事項照会書(様式第10号)により関係官公署へ協力を求めるものとする。
(2) 第9条の規定により提出された改善計画書の内容に不備があり、かつ、期限を定めて当該改善計画書の是正を指導したにもかかわらず、当該期限を過ぎても当該改善計画書の提出を求められた者がこれに応じない場合
(3) 第9条の規定により提出された改善計画書に記載された履行期限までに法令違反の是正又は火災危険等の排除が完了していないと認められる場合
(4) 法令違反の事実又は火災危険等があることが明白で、かつ、直ちに違反処理の措置を行う必要があると認める場合
第2章 違反処理基準
(違反処理の区分)
第12条 違反処理の区分は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 警告
(2) 命令
(3) 告発
(4) 過料事件の通知
(5) 代執行
(6) 略式の代執行
(7) 特例認定の取消し
(8) 許可の取消し
(違反処理基準の適用)
第13条 消防長等は、違反の内容が別に定める違反処理基準に該当すると認めた場合は、当該基準に規定する違反処理を行わなければならない。ただし、火災予防上特に必要があると認めるときは違反処理の区分を変更し、又は違反処理基準に従って違反処理することが行政上適切でないと認めるときは違反処理を留保することができる。
(違反の調査)
第14条 違反調査の方法は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 実況見分調書(様式第11号)の作成
(2) 写真資料(様式第12号)の作成
(3) 物証・書証の収集
(4) 質問調書(様式第13号)の作成
(5) その他必要と認められる書類の作成
2 査察員は、違反調査した結果を、違反調査報告書(様式第14号)(以下「調査報告書」という。)により消防長等に報告しなければならない。
2 消防長等は、緊急に措置する必要があると認める場合で、警告書を発行するいとまがない場合は、口頭で必要な事項について警告することができる。この場合において、事後速やかに警告書を交付するものとする。
3 警告書は、原則として当該関係者に直接交付し、受領書(様式第20号)に署名を求めるものとする。ただし、直接交付できないときは、配達証明又は内容証明により郵送するものとする。
(履行状況の確認)
第16条 消防長等は、警告書を交付したときは、必要に応じ、当該関係者に改善計画書を提出させるとともに、査察員に履行状況を調査させなければならない。
(聴聞及び弁明の機会の付与の必要な不利益処分)
第17条 この規程において、聴聞が必要な不利益処分は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 法第8条の2の3第6項に基づく特例認定の取消し
(2) 法第12条の2第1項に基づく危険物製造所等の許可の取消し
(3) 法第13条の24第1項に基づく危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令
(4) 法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第6項に基づく特例認定の取消し
2 この規程において、弁明の機会の付与が必要な不利益処分は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 法第5条第1項に基づく防火対象物に対する予防措置命令(緊急の場合を除く。)
(2) 法第5条の2第1項に基づく防火対象物に対する使用禁止命令等(緊急の場合を除く。)
(3) 法第5条の3第1項に基づく防火対象物に対する危険排除のための措置命令(緊急の場合を除く。)
(4) 法第8条第4項に基づく防火管理者業務適正執行のための措置命令(法令により処分要件が明確なものを除く。)
(5) 法第8条の2第6項に基づく統括防火管理業務適正執行のための措置命令(法令により処分要件が明確なものを除く)
(6) 法第12条の2第1項及び同条第2項に基づく危険物製造所等の使用停止命令(緊急の場合除く)
(7) 法第14条の2第3項に基づく予防規程の変更命令
(8) 法第36条第1項において準用する法第8条第4項及び法第8条の2第6項に基づく防災管理者業務適正執行のための措置命令(法令により処分要件が明確なものを除く。)
(聴聞及び弁明の機会の付与)
第18条 前条に定める聴聞又は弁明の機会の付与が必要な不利益処分については、行政手続法(平成5年法律第88号)及び大月市行政手続条例(平成8年大月市条例第20号)に基づく聴聞又は弁明の機会の付与の手続をとるものとする。
2 消防長等は、緊急に措置する必要があると認める場合で、命令書を発行するいとまがない場合は、口頭で必要な事項について命令することができる。この場合において、事後速やかに命令書を交付するものとする。
(消防長等以外の消防吏員による命令)
第20条 消防長等以外の消防吏員は、法第3条第1項又は、法第5条の3第1項に規定する命令を行う場合は、関係者等に対して口頭で必要な事項について命令するものとする。
(教示)
第21条 命令を書面で行う場合又は命令を口頭で行う場合で利害関係人から教示を求められた場合は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条の規定により教示をしなければならない。
(命令の解除)
第22条 消防長等は、法第5条の2第1項、法第12条の2第1項及び第2項、法第12条の3第1項の規定による命令について、命令事項の全部又は一部が履行されたことにより、受命者から命令の解除の申し出があったとき又はその事実を知ったときはその履行状況を確認し、命令解除要件を満たすと認めた場合は、速やかに命令を解除するものとする。
(公示の期間)
第24条 法第5条第1項、法第5条の2第1項、法第5条の3第1項、法第8条第3項及び第4項、法第8条の2第5項及び第6項、法第8条の2の5第3項、法第11条の5第1項及び第2項、法第12条第2項、法第12条の2第1項及び第2項、法第12条の3第1項、法第13条の24第1項、法第14条の2第3項、法第16条の3第3項及び第4項、法第16条の6第1項、法第17条の4第1項及び第2項、法第36条第1項において準用する法第8条第3項及び第4項並びに法第36条第1項において準用する法第8条の2第5項及び第6項の各命令を行った場合には、速やかに公示し、当該命令の履行又は解除がなされるまでの間その状態を保たせるものとする。
(許可の取消し)
第25条 法第12条の2第1項に基づく危険物製造所等の許可の取消しは、次のいずれかに該当する場合に行うものとする。
(1) 法第12条の2第1項に基づく使用停止命令に違反したとき。
(2) 前号の使用停止命令に従った場合でも使用停止命令を命じられるに至った違反が是正されないとき。
(3) 前2号に該当しない場合で、違反内容が許可の取消しを行うことが必要と認めるとき。
(特例認定の取消し)
第26条 法第8条の2の3第6項に基づく特例認定の取消しは、特例認定取消書(様式第30号)を交付することにより行うものとする。
2 法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第6項に基づく特例認定の取消しは、特例認定取消書を交付することにより行うものとする。
(解任命令)
第27条 法第13条の24第1項に基づく危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令は、解任命令書(様式第31号)を交付することにより行うものとする。
(告発)
第28条 消防長は、次の各号のいずれかに該当するもので、必要と認める場合に告発を行うものとする。
(1) 違反内容が重大、かつ、出火危険、延焼拡大危険、火災等に係る人命危険その他公共危険が著しく大きいと認める場合
(2) 違反に起因して火災等が発生し、若しくは拡大し、又は人身事故が発生した場合
(3) その他告発をもって措置すべき必要があると認める場合
(過料事件の通知)
第29条 消防長等は、過料事件の通知に該当する法第8条の2の3第5項、法第17条の2の3第4項又は法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第5項の規定に係る違反事案を覚知し、過料をもって対処すべきと認めるときは、当該違反事実に係る関係証拠を添付し、当該違反者の住所地を管轄する地方裁判所に過料事件通知書(様式第33号)により通知するものとする。
(代執行)
第30条 消防長等は、法第3条第1項又は法第5条の3第1項の規定による命令で、次のいずれかに該当する場合において、その他の方法によってはその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律43号)の規定するところにより代執行を行うものとする。
(1) 命令した事項を履行しないとき。
(2) 命令した事項を履行しても十分でないとき。
(3) 命令した事項に履行期限が付されている場合において、履行しても当該期限までに完了する見込みがないとき。
2 消防長等は、代執行を行う場合は、事前に執行に伴う作業、警戒及び経費等について計画を策定しなければならない。
(1) 戒告書(様式第34号)
(2) 代執行令書(様式第35号)
(3) 代執行費用納付命令書(様式第36号)
(4) 代執行責任者証(様式第37号)
(5) 除去物件引渡通知書(様式第38号)
(物件の除去等に係る事前公告)
第31条 法第5条の3第2項の規定による公告は、消防法による物件の除去等の公示(様式第39号)によるものとする。
(略式の代執行)
第32条 消防長等は、法第3条第1項又は法第5条の3第1項の規定による命令に係る履行義務者を確知することができないために、当該命令を行うことができない場合において、必要と認めるときは、法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づく略式の代執行を行うものとする。
2 消防長等は、法第5条の3第2項の規定により略式の代執行を行う場合、前条に定める公告を行った後に行うものとする。ただし、緊急の必要があると認めるときは、この限りでない。
3 消防長等は、法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づき、職員に法第3条第1項第3号又は第4号の措置をとらせる場合は、措置すべき物件の状態、場所の状況等を勘案して措置の方法を決定するものとする。
(報告)
第33条 査察員は、違反処理が完結したときは、違反処理が完結したことを報告書により消防長に報告しなければならない。
(委任)
第34条 この規程の運用に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この訓令は、平成31年4月1日から施行する。