○大月市建設工事監督基準
平成21年1月5日
決裁
(適用)
この基準は、大月市の所掌する建設工事(以下「工事」という。)について適用する。
(監督員の権限)
監督員の権限は、契約書に定めのある次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 契約の履行について、請負者又は請負者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(2) 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付、又は請負者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査(確認を含む)又は工事材料の試験若しくは検査(確認試験を含む)
(監督員の業務)
監督員は、契約書、工事共通仕様書に定める業務を行うものとする。
(書類の整理)
監督員は、次に掲げる図書(契約の相手方から提出された図書を含む。)を作成及び整理して監督の経過を明らかにするものとする。
(1) 工事の実施状況を記載した図書
(2) 契約の履行に関する協議事項等を記載した書類
(3) 工事の実施状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査の事実を記載した図書
(4) その他工事の監督に関する図書
(工事関係の様式)
請負者に整備提出させる工事関係の次の様式については、建設工事必携の提出書類関係様式集等を参考とし指示を行うものとする。
(1) 施工計画書
(2) 工事協議(打合せ)書
(3) 工事日誌
(4) 工事材料確認表
(5) 部分検査申請書
(6) 段階確認表
(7) 立会一覧表
(8) 指示総括表
(9) 施工管理表
(10) 工事記録写真
(11) 施工体制台帳
(12) その他必要な関係書類
附則
この訓令は、平成21年4月1日から施行する。
監督員の業務
(目的)
本資料は、大月市において策定した大月市建設工事監督基準における「監督員の業務」について詳細に示したものである。
(監督員の業務)
大月市建設工事監督基準に記載する「監督員の業務」は、以下の項目とする。
項目 | 業務内容 | 関連図書及び条項 |
1 契約の履行の確保 |
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(1) 契約図書の内容の把握 | 契約書、設計書、仕様書、図面、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書等及びその他契約の履行上必要な事項について把握する。 | 契約書第9条 共通仕様書第1編1―1―2 |
(2) 施工計画書の受理 | 請負者から提出された施工計画書により、施工計画の概要を把握する。 | 共通仕様書第1編1―1―6 |
(3) 施工体制の把握 | 「工事現場における適正な施工体制の確保等について」(平成13年9月3日付け、技管1第9―2号)「工事現場における施工体制の点検要綱の運用について」(平成13年9月3日付け、技管1第9―3号)により現場における施工体制の把握を行う。 | 適正化法第14条 適正化指針4.(3) |
(4) 契約書及び設計図書に基づく指示、承諾、協議、受理等 | 契約書及び設計図書に示された指示、承諾、協議(詳細図の作成を含む)及び受理等について、必要により現場状況を把握し、適切に行う。 | 契約書第9条 共通仕様書第1編1―1―6 共通仕様書第1編1―1―8 |
(5) 条件変更に関する確認、調査、検討、通知 | ① 契約書第18条第1項の第1号から第5号までの事実を発見したとき、又は請負者から事実の確認を請求されたときは、直ちに調査を行い、その内容を確認し検討のうえ、必要により工事内容の変更、設計図面の訂正内容を定める。ただし、特に重要な変更が伴う場合は、あらかじめ所属長等の承認を受ける。 | 契約書第18条 共通仕様書第1編1―1―3 |
② 前項の調査結果を請負者に通知(指示する必要があるときは、当該指示を含む)する。 | 契約書第18条 | |
(6) 関連工事との調整 | 関連する2以上の工事が施工上密接に関連する場合は、必要に応じて施工について調整し、必要事項を請負者に対し指示を行う。 | 契約書第2条 |
(7) 工程把握及び工事促進指示 | 請負者からの履行報告又は実施工程表に基づき工程を把握し、必要に応じて工事促進の指示を行う。 | 契約書第11条 共通仕様書第1編1―1―30 |
(8) 工期変更の事前協議 | 契約書第15条第7項、第17条第1項、第18条第5項、第19条、第20条第3項、第21条及び第43条第2項の規程に基づく工期変更について、事前協議を行う。 | 共通仕様書第1編1―1―18 |
(9) 契約担当者等への報告 |
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1) 工事の中止及び工期の延長の検討及び報告 | ① 工事の全部若しくは一部の施工を一時中止する必要があると認められるときは、中止期間を検討し、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第20条 共通仕様書第1編1―1―16 |
② 請負者から工期延期の申し出があった場合は、その理由を検討し契約担当者等へ報告する。 | 契約書第17~21条 契約書第43条 | |
2) 一般的な工事目的物等の損害の調査及び報告 | 工事目的物等の損害について、請負者から通知を受けた場合は、その原因、損害の状況等を調査し、発注者の責に帰する理由及び損害額の請求内容を審査し、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第27条 |
3) 不可抗力による損害の調査及び報告 | ① 天災等の不可抗力により、工事目的物等の損害について、請負者から通知を受けた場合は、その原因、損害の状況等を調査し、確認結果を契約担当者等へ報告する。 | 契約書第29条 共通仕様書第1編1―1―45 |
② 損害額の負担請求内容を審査し、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第28条 | |
4) 第三者に及ぼした損害の調査及び報告 | 工事の施工に伴い第三者に損害を及ぼしたときは、その原因、損害の状況等を調査し、発注者が損害を賠償しなければならないと認められる場合は、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第28条 |
5) 中間前金払請求時の出来高確認及び報告 | 中間前払金の請求があった場合は、工事履行報告書及び実施工程表に基づき出来高を確認し、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第34条 |
6) 部分払請求時の出来形の審査及び報告 | 部分払の請求があった場合は、工事出来形内訳書の審査を行い、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第37条 |
7) 工事関係者に関する措置請求 | 現場代理人がその職務の執行につき著しく不適当と認められる場合及び主任技術者若しくは監理技術者又は専門技術者、下請負人等が工事の施工又は管理に著しく不適当と認められる場合は、措置請求について契約担当者等へ報告する。 | 契約書第12条 |
8)契約解除に関する必要書類の作成及び措置請求又は報告 | ① 契約書第47条第1項及び第48条第1項に基づき契約を解除する必要があると認められる場合は、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第47条 契約書第48条 |
② 請負者から契約の解除の通知を受けたときは、契約解除要件を確認し、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第49条 | |
③ 契約が解除された場合は、既済部分出来形の調査を行い、契約担当者等へ報告する。 | 契約書第50条 | |
2 施工状況の確認等 |
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(1) 事前調査等 | 下記の事前調査業務を必要に応じて行う。 |
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① 工事基準点の指示 | 共通仕様書第1編1―1―43 | |
② 支給(貸与)品の確認 | 共通仕様書第1編1―1―19 | |
③ 請負者が行う官公庁等への届出の把握 | 共通仕様書第1編1―1―41 | |
④ 工事区域用地の把握 | 契約書第16条 共通仕様書第1編1―1―10 | |
⑤ その他必要な事項 |
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(2) 材料の確認 | 設計図書において、監督員の試験若しくは確認を受けて使用すべきものと指定された工事材料、又は監督員の立会いのうえ調合し、又は調合について見本の確認を受けるものと指定された材料の品質・規格等の試験、立会い、又は確認を行う。 | 契約書第13~14条 共通仕様書第1編1―1―22 共通仕様書第1編第2章第2節 |
(3) 工事施工の立会い | 設計図書において、監督員の立会いのうえ施工するものと指定された工事材料及び工事において、設計図書の規定に基づき立会いを行う。 | 契約書第14条 |
(4) 段階確認 | 別表「段階確認一覧表」に基づき確認を行う。 | 共通仕様書第1編1―1―22 |
(5) 建設副産物の適正処理状況等の把握 | 建設副産物を搬出する工事にあっては産業廃棄物管理表(マニフェスト)等により、適正に処理されているか把握する。 また、建設資材を搬入又は建設副産物を搬出する工事にあっては、請負者が作成する再生資源利用計画書及び再生資源利用促進計画書により、リサイクルの実施状況を把握する。 | 共通仕様書第1編1―1―21 |
(6) 改造請求及び破壊による確認 | ① 工事の施工部分が契約図書に適合しない事実を発見した場合で、必要があると認められるときは、改善の指示又は改造請求を行う。ただし、重大なものについては、あらかじめ所属長等の承認を受ける。 | 契約書第9条 契約書第17条 |
② 契約書第13条第2項若しくは第14条第1項から第3項までの規定に違反した場合、又は工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められる場合は、工事の施工部分を破壊して確認する。ただし、重大なものについては、あらかじめ所属長等の承認を受ける。 | 契約書第17条 | |
(7) 支給材料及び貸与品の確認、引渡し | ① 設計図書に定められた支給材料及び貸与品については、契約担当者等が立会う場合を除き、その品名、数量、品質、規格又は性能を設計図書に基づき確認し、引渡しを行う。 | 契約書第15条 |
② 前項の確認の結果、品質又は規格若しくは性能が設計図書の定めと異なる場合、又は使用に適当でないと認められる場合は、これに変わる支給材料若しくは貸与品を契約担当者等と打合せのうえ引渡し等の措置をとる。 | 契約書第15条 | |
3 円滑な施工の確保 |
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(1) 地元対応 | 地元住民等からの工事に関する苦情、要望等に対し必要な措置を行う。 | 共通仕様書第1編1―1―41 |
(2) 関係機関との協議・調整 | 工事に関して、関係機関との協議・調整等における必要な措置を行う。 | 共通仕様書第1編1―1―41 |
4 その他 |
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(1) 現場発生品の処理 | 工事現場における発生品について、規格、数量等を確認し、その処理方法について指示する。 | 共通仕様書第1編1―1―20 |
(2) 臨機の措置 | 災害防止、その他工事の施工上特に必要があると認められるときは、請負者に対し臨機の措置を求める。 | 契約書第26条 共通仕様書第1編1―1―48 |
(3) 事故等に対する措置 | 事故等が発生したときは、速やかに状況を調査し、担当課に報告する。 | 共通仕様書第1編1―1―35 |
(4) 工事成績の評定 | 監督員は、工事完成のとき請負工事成績評定要領に基づき工事成績の評定を行う。 | 大月市建設工事成績評定要領 |
(5) 工事完成検査等の立会 | 監督員は、工事検査員が行う検査の立会いを行う。 | 共通仕様書第1編1―1―25 |
別表
段階確認一覧表
種別 | 細別 | 確認時期 | |
共通(全工種) | 丁張 | 設置完了時 | |
掘削・床堀 | 土(岩)質の変化した時 掘削・床堀完了時 | ||
材料 | 施工前 | ||
配筋 | 鉄筋組立完了時 | ||
埋戻し | 埋戻し前(注3) | ||
指定仮設工 |
| 設置完了時 | |
矢板工(任意仮設を除く) | 鋼矢板 鋼管矢板 | 打込時 打込完了時 | |
安定処理工 | 表層混合処理・路床安定処理 | 処理完了時 | |
置換 | 掘削完了時 | ||
サンドマット | 処理完了時 | ||
バーチカルドレーン工 | サンドドレーン 袋詰式サンドドレーン ペーパードレーン | 施工時 施工完了時 | |
締固め改良工 | サンドコンパクションパイル | 施工時 施工完了時 | |
固結工 | 粉体噴射撹拌・高圧噴射撹拌 セメントミルク撹拌・生石灰パイル等 | 施工時 施工完了時 | |
薬剤注入 | 施工時 | ||
ロックボルト | 削孔 | 削孔機械設置時、削孔完了時 | |
確認試験 | 定着後 | ||
グラウンドアンカー | 削孔 | 削孔機械設置時、削孔完了時 | |
多サイクル確認試験 | 定着後 | ||
既製杭工 | 既製コンクリート杭 鋼管杭 H鋼杭 | 打込時 打込完了時 施工完了時 杭頭処理完了時 | |
場所打杭工 | リバース杭 オールケーシング杭 アースドリル杭 大口径杭 | 施工完了時 杭頭処理完了時 | |
深礎工 |
| 施工完了時 グラウト注入時 | |
オープンケーソン基礎工 ニューマチックケーソン基礎工 |
| 鉄沓据付完了時 本体設置前(オープンケーソン) | |
鋼管井筒基礎工 |
| 打込時 打込完了時 杭頭処理完了時 | |
護岸工 | 法覆工(覆土施工がある場合) | 覆土前 | |
鋼製ダム仮組立検査 |
| 仮組立完了時 | |
ダム工基礎地盤検査 | 砂防ダムを含む | 床堀完了時(注4) | |
路床盛土工 |
| 施工完了時 | |
下層・上層路盤工 |
| 施工完了時 | |
橋梁上部工 | 材料・原寸検査 |
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鋼橋仮組立検査 | 仮組立完了時 注5 | ||
架設状況検査 |
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ポストテンション(T)桁製作工 プレビーム桁製作工 プレキャストブロック桁組立工 PCホロースラブ製作工 PC版桁製作工 PC箱桁製作工 PC片持箱製作工 PC押出し箱桁製作工 床版・横組工 | プレストレスト導入完了時 横締め作業完了時 縦締め作業完了時 PC鋼線・鉄筋組立加工時(工場製作除く) | ||
橋梁下部工 | 橋台・橋脚工 | 沓座位置決定時 | |
トンネル | トンネル支保工 | 支保工完了時(支保工変化毎) | |
トンネル覆工 | 施工時(構造の変化時) | ||
トンネルセントル工場検査 |
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二次製品JIS外工場検査 |
| 監督員の指示する時期 | |
法面工 | ラス・アンカーピン検査 | ラス張り完了時 | |
落石防止網アンカー |
| 固定アンカー完了時 | |
上水道機器製作(積算上規格品取扱いのものは除く) | 浄水設備の機器製作 | 監督員の指示する時期 | |
計装設備の機器製作 | |||
電気設備の機器製作 | |||
ポンプ設備の機器製作 | |||
下水道機器製作(積算上規格品取扱いのものは除く) | 管渠 | 推進機等の製作 | 監督員の指示する時期 |
処理場等 | 機械設備の機器製作 | ||
計装設備の機器製作 | |||
電気設備の機器製作 | |||
ポンプ設備の機器製作 | |||
特殊機械、機器、特殊製品等の試験、検査を要するもの | 機械・電気機器工場検査 | 監督員の指示する時期 | |
圃場整備事業等 | 表土扱いを伴う基礎整地工 | 監督員の指示する時期 | |
幹線用水路及びパイプライン工で管径が大きいもの | |||
暗渠排水工で数耕区にまたがるもの又は湧水処理のあるもの | |||
購入土による客土又は耕土の区画外補給のあるもの | |||
排水フリュームで断面が大きく、かつ幹線水路となるもの | |||
上水道工事 通水試験工 | 水圧試験 | 連絡工事前 | |
ガス工事 耐圧・気密試験工 | 気密試験 耐圧試験 | 連絡工事前 | |
建築工事及び建築設備工事 |
| 国土交通省大臣官房官庁営繕部監修 ・公共建築工事標準仕様書(建築工事編) ・公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編) ・公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編) ・公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編) ・公共建築改修工事標準仕様書(電気設備工事編) ・公共建築改修工事標準仕様書(機械設備工事編) 等により、監督職員が指示する。 |
注1 その他監督員が認めた場合は段階確認を行う。
注2 検査主管課は、監督員からの立会い依頼があった場合において、必要と認めたときは段階確認に立会うこととする。
注3 重要構造物の埋戻しについては特に注意を要する。【重要構造物とは函渠工(樋門・樋管含む)、躯体工(重力式擁壁、橋台等)、RC躯体工(橋脚等)、橋脚フーチング工、RC擁壁、砂防ダム、堤本体工、排水機場本体工、水門工、共同溝本体工など】
注4 鋼道路橋の上部工における仮組立検査は、以下の①から③の条件すべてを満たす橋梁工事について段階確認を省略できる。
① 鈑桁橋(Ⅰ型断面)又は箱桁橋であること。
② 直橋であること。
③ 鈑桁橋では斜角が75°以上、箱桁橋では斜角が90°であること。
なお、省略した場合の精度管理方法は以下による。
(1) 製作・架設一体工事の場合
請負者は定められた以下の4方法から選択した精度管理方法により精度管理を行い、結果を監督員に提出する。これら以外の方法による場合は、監督員と協議する。
① 部材計測のみによる方法
② 橋梁の一部分のみの仮組立による方法
③ 数値仮組立による方法(シミュレーションによる仮組立)
④ 実仮組立による方法
(2) 製作工事のみの場合
請負者は定められた以下の2方法から選択した精度管理方法により精度管理を行い、結果を監督員に提出する。これら以外の方法による場合は、監督員と協議する。
① 数値仮組立による方法(シミュレーションによる仮組立)
② 実仮組立による方法