○大月市立中央病院診療情報開示に関する要綱

平成21年3月3日

告示第14号

(目的)

第1条 この要綱は、インフォームド・コンセントの理念に基づき、患者の求めに応じて、医療情報を開示することにより、医療従事者と患者が診療情報を共有し、もって相互の信頼関係を深め、質の高い医療を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 診療情報 診療の過程で、患者の身体状況、病状、治療等について医療従事者が知り得た情報をいう。

(2) 診療録 医師法(昭和23年法律第201号)に定める診療禄及び歯科医師法(昭和23年法律第202号)に定める診療録をいう。

(3) 診療記録 診療録、処方せん、手術記録、看護記録、薬剤に関する記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約その他診療の過程で患者の身体の状況、症状、治療等について作成、記録又は保存された書類、画像等の記録(電子化されたものを含む。)をいう。

(4) 診療記録の開示 患者等の求めに応じ、診療記録を閲覧に供すること又は診療記録の写しを交付することをいう。

(診療記録の範囲)

第3条 開示する診療記録の範囲は、診療録、処方せん、手術記録、看護記録、薬剤に関する記録、検査所見記録、エックス線写真、その他診療を目的として職員が作成又は取得した記録で、現に保有しているものとする。

(開示申請者の範囲)

第4条 診療情報の開示を請求することができる者は、次のとおりとする。

(1) 患者本人

(2) 患者本人以外の者

 成年被後見人の法定代理人

 未成年者の法定代理人

 実質的に患者のケアを行っている親族又はそれに準ずる者。ただし、この場合及びの場合、満15歳以上の患者については、合理的判断ができない状態にある場合を除き、当該患者の同意を必要とする。

 未成年で死亡した患者の親権者

 患者本人が死亡し、親族との信頼関係確保の観点から診療情報を提供することが必要と認めた遺族(配偶者、子及び父母とする。)又はそれに準ずる者

(開示手続)

第5条 診療記録の開示の手続は、次のとおりとする。ただし、日常の診療活動における診療情報の説明において、一部の診療記録を閲覧に供する場合などは、この手続を省略することができる。

(1) 診療記録の開示を請求する者(以下「申請者」という。)は、大月市立中央病院院長(以下「院長」という。)に診療情報開示申請書(様式第1号。以下「申請書」という。)を提出しなければならない。

(2) 申請者が患者本人以外のときは、申請書と併せ資格を証する書面を提出しなければならない。

(3) その他診療記録の開示に係る処理手続については、別に定める「診療記録開示事務処理要領」によるものとする。

(開示決定及び通知)

第6条 院長は、申請書を受理した日の翌日から起算して15日以内に開示の可否について決定し、申請者に対して、診療情報開示決定通知書(様式第2号)により通知するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、院長は、やむを得ない理由により、前項の期間内に決定することができないときは、申請書を受理した日の翌日から起算して60日を限度として、その期間を延長することができる。この場合のおいて、院長は、速やかに延長の期間及び理由を申請者に対して、診療情報開示決定期間延長通知書(様式第3号)により通知するものとする。

3 院長は、前2項の決定にあたっては、診療情報開示審査委員会の意見を聴くものとする。

(開示の実施)

第7条 診療記録の開示は、市立中央病院内で、職員立会いのもとに行うものとする。

(開示しない診療記録)

第8条 院長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、診療記録の全部又は一部を開示しないことができる。

(1) 治療効果等への悪影響が懸念される場合

(2) 第三者から得た情報で、第三者の了解を得られない場合

(3) 関係者の権利利益を損なうおそれがある場合

(4) 未成年者の法定代理人による開示の請求があった場合であって、提供することが当該未成年者の利益に反すると認められる場合

(5) その他診療情報の開示を不適当とする相当な理由が存在する場合

(不服の申立への対応)

第9条 診療記録の開示決定(不開示又は一部不開示を含む。)について申請者から不服の申立てがあったときの手続は、大月市個人情報保護条例(平成15年大月市条例第1号)の規定を準用する。

(委員会)

第10条 診療情報の開示を適正に行うため、診療情報開示審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、定数を5人とし、副院長、医局長、総看護師長、事務長及び医事管理課長のうちから院長が指名する。

3 委員の任期は、2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

4 委員会に委員長を置き、委員長は、委員の互選により選出する。

5 委員会の会議は、委員長が招集し、議長となる。

6 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が指名した者がその職務を代理する。

7 委員会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。

8 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

9 委員会の会議及び会議録は、公開しない。

10 委員会の庶務は、医事管理課において行う。

(費用の負担)

第11条 診療記録の写しの交付等に要する費用は申請者の負担とし、その実費を徴収する。

(補則)

第12条 この要綱に基づき、診療情報開示の運用について生じた疑義は、委員会で審議する。

附 則

この告示は、平成21年4月1日から施行する。

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大月市立中央病院診療情報開示に関する要綱

平成21年3月3日 告示第14号

(平成21年4月1日施行)