○大月市農用地利用増進規程

昭和53年7月5日

訓令第9号

(実施区域)

第1条 市の行う農用地利用増進事業の実施区域(以下「実施区域」という。)は、別表に掲げる区域とする。

(基本方針)

第2条 市は、実施区域内にある農用地の農業上の効率的な利用の促進並びに当該農用地につき耕作又は養畜の業務を営む個人で次条第1項各号に掲げる要件のすべてを備える者の利用権の取得の促進及びその農業経営の安定を図ることにより、農業振興地域整備計画の達成に資することを旨として農用地利用増進事業を実施するものとする。

2 市は、利用権の設定をする者及び利用権の設定を受ける者の意向を十分把握し、その総意を尊重するとともに、公正を旨として農用地利用増進事業を実施するものとする。

(利用権の設定を受けるべき者の要件)

第3条 農用地利用増進事業の実施により実施区域内にある農用地について利用権の設定を受けることのできる者は、次の各号に掲げる要件のすべてを備えているものとする。

(1) その者が利用権の取得後において耕作又は養畜の業務に供すべき農用地のすべてについて耕作又は養畜の業務を行うと認められること。

(2) その者が利用権取得後において耕作又は養畜の業務に必要な農作業に常時従事すると認められること。

(3) その者が利用権取得後において利用権の設定を受ける農用地を効率的に利用して、耕作又は養畜の業務を行うと認められること。

(4) その者が、農業に精進する意欲と能力を有すると認められること。

2 実施区域内にある農用地について所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する個人が、農用地利用増進事業の実施により前項に規定する者に利用権を設定する場合において、当該個人が前項第1号から第3号までに掲げる要件のすべてを備えているときは、当該個人は、前項の規定にかかわらず、おおむね利用権を設定する農用地の面積の合計の範囲内で利用権の設定を受けることができるものとする。

(利用権の存続期間)

第4条 農用地利用増進事業の実施により設定される利用権の存続期間は、3年とする。ただし、利用権を設定する農用地において栽培を予定する作目の通常の栽培期間からみて3年とすることが相当でないと認められる場合その他特別の事情があると認められる場合には、3年と異なる存続期間とすることができる。

2 農用地利用増進計画においては、農用地利用増進事業の実施により設定される利用権の当事者が、当該利用権の存続期間の中途において解約する権利を有しない旨を定めるものとする。

(借賃の算定基準)

第5条 農用地利用増進事業の実施により設定される農地についての賃借権に係る借賃は、農地法(昭和27年法律第229号)第24条の2第1項の規定により農業委員会が定めている小作料の標準額を十分考慮し、当該農地の生産条件等を勘案して算定するものとする。

(借賃の支払方法)

第6条 農用地利用増進事業の実施により設定される賃借権に係る借賃は、毎年12月31日までに当該年に係る借賃の全額を一時に支払うものとし、その支払は、賃貸人がクレイン農業協同組合市内支店に貯金口座を有する場合はその口座に振込むことにより、その他の場合は、賃貸人の住所に持参して支払うものとする。この場合において、賃貸人及び賃借人の双方が当該支店に貯金口座を有するときは、原則として当該口座間の振り替えにより借賃を支払うよう措置するものとする。

(有益費の償還)

第7条 農用地利用増進計画においては、農用地利用増進事業の実施により利用権の設定を受ける者は、当該利用権に係る農用地を返還するに際し、民法の規定により当該農用地の改良の為に費した金額その他の有益費について償還を請求する場合その他法令による権利の行使である場合を除き、当該利用権を設定する者に対し、名目のいかんを問わず返還の代償を請求してはならない旨を定めるものとする。

2 農用地利用増進計画においては、農用地利用増進事業の実施により利用権の設定を受ける者が、当該利用権に係る農用地を返還する場合において、当該農用地の改良の為に費した金額又はその時における当該農用地の改良による増加額について当該利用権の当事者間で協議が調わないときは、当事者の双方の申出に基づき、市又は農業委員会が認定した額をその費した金額又は増加額とする旨を定めるものとする。

(農用地利用増進計画の策定時期)

第8条 市は、農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号。以下「法」という。)第15条の3第1項の規定によるこの規程の認可後6ヶ月以内に農用地利用増進計画を定めるものとする。

2 市は、前項又はこの項の規定により定められた農用地利用増進計画の定めるところにより設定された利用権の存続期間の満了後も実施区域内の農用地の利用の増進を図るため、引き続き農用地利用増進計画を定めるものとする。

3 前項の規定により定める農用地利用増進計画は、現に定められている農用地利用増進計画に係る利用権の存続期間の満了の日20日前までに、当該利用権の存続期間満了の日の翌日を始期とする利用権の設定を内容として定めるものとする。なお、現に定められている農用地利用増進計画の利用権の存続期間内に必要が生じた場合には、この農用地利用増進計画の追加とし、計画策定が出来るものとする。

(申出)

第9条 前条第1項の規定により定める農用地利用増進計画の定めるところにより利用権の設定を受けようとする者及び利用権の設定をしようとする者は、別に定める様式により市に、その旨を申し出るものとする。

2 前条第2項の規定により定める農用地利用増進計画の定めるところにより利用権の設定を受けようとする者及び利用権の設定をしようとする者は、現に設定されている利用権の存続期間の満了の日の30日前までに、市にその旨を申し出るものとする。

(農用地利用増進計画の作成)

第10条 市は、前条の規定によりなされた申し出に基づき、農用地利用増進計画を定めるものとする。

2 市は、農用地利用増進計画において利用権の設定を受ける者を定めるに当つては、前条の規定により利用権の設定を受けたい旨の申し出をした者のうち、第3条第1項各号に掲げる要件のすべてを備えている者及び同条第2項の規定により利用権の設定を受ける者について、その者の農業経営の状況、利用権を設定しようとする農用地及びその者の現に耕作又は養畜の業務に供している農用地の位置その他の利用条件等を総合的に勘案して、実施区域内にある農用地の農業上の利用の増進及び利用権を取得しようとする者の農業経営の安定に資するようにするものとする。

(農用地利用増進計画の内容)

第11条 農用地利用増進計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 利用権の設定を受ける者の氏名及び住所

(2) 前号に規定する者が利用権の設定を受ける農用地の所在、地番、地目及び面積

(3) 第1号に規定する者に前号の規定する農用地について利用権を設定する者の氏名及び住所

(4) 第1号に規定する者が設定を受ける利用権の種類、内容、始期、存続期間、借賃及びその支払方法並びにその他の利用権の条件

(5) 第1号に規定する者が現に耕作又は養畜の業務に供している農用地の所在、地番、地目、面積及び利用状況

(6) 第1号に規定する者の農業経営の状況

(同意)

第12条 市は、農用地利用増進計画の案を作成したときは、前条第1号に規定する者及び同条第2号に規定する農用地について所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者のすべての同意を得、かつ、農業委員会の決定を経るものとする。

(公告)

第13条 市は、前条の規定により同意を得、かつ、決定を経て農用地利用増進計画を定めたときは、その旨及びその農用地利用増進計画の内容のうち第11条第1号から第4号までに掲げる事項を市の掲示場に掲示して公告するものとする。

(通知)

第14条 市は、前条の規定による公告をしようとするときは、その公告をしようとする日の10日前までに、当該公告をしようとする農用地利用増進計画及び公告予定年月日を記載した書面を添付してその旨を知事に通知するものとする。

(公告の効果)

第15条 市が、第13条の規定による公告をしたときは、その公告に係る農用地利用増進計画の定めるところにより利用権が設定されるものとする。

(事業推進体制)

第16条 市は、農用地利用増進計画の作成、農用地利用増進計画に係る第12条の規定による同意の徴求その他農用地利用増進事業の実施に関する事務を推進するため、この市の職員、農業委員会、クレイン農業協同組合その他の農業団体の役職員等をもつて構成する農用地利用増進事業推進事務局を設置するものとする。

2 市は、農用地利用増進事業を実施するに当たつては農業委員会の資料の提供、助言その他の協力を得るものとする。

3 市は、農用地利用増進事業を実施するに当たつては実施区域内にある農用地について所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利、又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者及び農用地利用増進事業の実施による利用権の設定を希望する者で組織する農用地利用組合が行うその構成員の農用地の利用権の設定に関する意向の聴取及び調整等を尊重するものとする。

4 市は、県、クレイン農業協同組合等と十分連絡調整を図り、これらの機関の行なう農業振興地域整備計画の達成に資するための施策と調和を保つよう留意するものとする。

(利用権取得者の責務)

第17条 農用地利用増進事業の実施により利用権の設定を受けた者は、当該利用権の設定に係る農用地を効率的に利用するよう努めなければならないものとする。

(紛争の処理)

第18条 農用地利用増進事業の実施による利用権の設定後、借賃の支払等当該利用権の設定に係る農用地利用に伴う紛争が生じたときは、当該利用権の当事者の一方又は双方の申出に基づき、農業委員会がその解決に努めるものとする。

第19条 この規程に定めるもののほか、農用地利用増進事業の実施上必要な事項については、別に定めるものとする。

この規程は、公布の日から施行し、昭和53年4月1日から適用する。

(平成8年1月31日訓令第1号)

この規程は、平成8年2月1日から施行する。

別表(実施区域)

区域名

区域の範囲

区域内にある農用地の総面積

大月市

{大月市農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区}一円

1,161ヘクタール

大月市農用地利用増進規程

昭和53年7月5日 訓令第9号

(平成8年1月31日施行)