○大月市議会議員政治倫理条例

平成25年9月11日

条例第35号

(目的)

第1条 この条例は、大月市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、議員の政治倫理の確立を図り、もって市民に信頼される民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、市民の代表として市政に携わり、安心で安全な街づくりをはじめ、市民全体の福祉の向上を追求するという自らの責務を深く自覚するとともに、地方自治の本旨に基づく市民の信頼に値する倫理を保持し、その使命の達成に努めなければならない。

2 議員は、法令及び条例を遵守し、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈してはならない。

3 議員は、政治倫理に反する事実があると疑惑を持たれたときは、自らその疑惑を解明し、市民及び議会へ説明するとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は、次の各号に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民の代表者として、品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し、不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 市民全体の奉仕者として、常に人格と倫理の向上に努めるとともに、公職選挙法(昭和25年法律第100号。以下「法」という。)の規定の遵守はもとより、その権限又は地位を利用して、いかなる金品も授受しないこと。また、人権侵害のおそれのある行為をしないこと。

(3) 市の請負契約(下請負を含む。)、一般物品納入契約、業務委託契約及び指定管理者の指定に関して特定の企業、団体、個人に対し不正な取り計らいをしないこと。

(4) 市が行う許可、認可又は特定の者に対する処分に関し、特定の個人、企業、団体等のために有利若しくは不利な取り計らいをしないこと。

(5) 政治活動に関して企業、団体又は個人から政治的又は道義的な批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこととし、その後援団体についても同様に措置すること。

(6) 市職員の公正な職務執行を妨げ、又は当該職員の権限若しくは地位による影響力を不正に行使するよう働きかけをしないこと。

(7) 市職員の採用、異動、昇任、昇格等人事に関し、関与しないこと。

(8) 市税等の完納又は健全な計画に基づく分納等その納付を誠実に行うこと。

(兼業等の報告義務)

第4条 議員は、議員の地位を取得した時に、自ら事業を営み、又は自ら若しくはその配偶者若しくは2親等の親族(姻族含む。第3項において「議員等」という。)が収益事業を営む法人その他の団体(以下「法人等」という。)の取締役、理事、監査役、監事、顧問若しくはこれらに準ずる職(以下「取締役等」という。)に就いているときは、議員の任期開始の日から30日以内に、議長に兼業報告書を提出しなければならない。

2 前項の規定の適用に当たっては、議員が取締役等に就いていない場合であっても、次の各号のいずれかに該当するときは、当該議員は当該法人等の取締役等に就いているものとみなす。

(1) 議員が法人等に資本金その他これに準ずるものの3分の1以上を出資しているとき。

(2) 議員が法人等から年額240万円以上の報酬、住宅又は車両の提供を受けているとき。

3 前2項の規定は、議員が自ら事業を営むこととなったとき、又は議員等が法人等の取締役等に就くこととなったときに準用する。この場合において、第1項中「議員の任期開始の日」とあるのは、「当該事業を営むこととなった日又は議員等が法人等の取締役等に就くこととなった日」と読み替えるものとする。

4 議員は、議長に提出した兼業報告書の内容に変更があったときは、遅滞なく兼業変更報告書を議長に提出しなければならない。

5 議長は、議員が兼業報告書又は兼業変更報告書を提出したときは、当該兼業報告書又は兼業変更報告書を、当該議員が議員として在任中、市民の閲覧に供さなければならない。

(市との請負契約等に関する遵守事項)

第5条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、自己の配偶者若しくは2親等の親族が取締役等をしている法人等又は自己が前条第2項の規定によりその取締役等に就いているものとみなされる法人等が、市を相手方とする工事若しくは製造の請負、業務の受託又は物品の売買の契約(ただし、1回の契約につき30万円未満の契約を除く。)を辞退するよう努めなければならない。ただし、災害等で緊急を要するときは、この限りでない。

(指定管理者の指定に関する遵守事項)

第6条 議員は、自らが取締役等をしている法人等が、市から地方自治法第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)に指定されたときは、当該法人等の取締役を辞任しなければならない。

(審査請求の手続)

第7条 議員が、第3条第5条又は第6条の規定(以下「遵守義務」という。)に違反する疑いがあると認められるときは、市民にあっては議員の選挙権を有する者の500分の1以上の者の連署をもって、議員にあっては5人以上の者の連署をもって、それぞれの代表者(以下「請求代表者」という。)から、議長に対し、議員の遵守義務に違反する行為の存否に関する審査の請求(以下「審査請求」という。)をすることができる。この場合において、請求代表者は、審査請求の対象となる議員(以下「対象議員」という。)の氏名並びに審査請求の対象となる具体的な内容及び該当する政治倫理基準を記載した審査請求書に、対象議員が遵守義務に違反していると疑うに足る事実を証する資料を添付し、議長に提出しなければならない。

2 議長は、前項に規定する審査請求書を受理したときは、その記載内容及び添付書類について確認し、不備があると認めたときは、相当の期間を定めて請求代表者にその補正を命ずることができる。

3 議長は、審査請求が第1項に規定する要件を満たしていないとき、又は請求代表者が前項に規定する補正命令に従わないときは、当該請求を却下するものとする。

4 第1項の議員の選挙権を有する者とは、審査請求をする日において、法第22条の規定により本市の選挙人名簿に登録されている者とする。

(政治倫理審査会の設置等)

第8条 議長は、前条に規定する審査請求が適当であると認めたときは、大月市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、当該審査請求に係る審査を審査会に付託しなければならない。

2 審査会は、委員8人以内をもって組織する。

3 審査会の委員は、学識経験者及び地方自治法第18条に定める選挙権を有する市民で公募に応じた者の内から8人以内を議長が指名する。ただし、議員は、委員となることができない。

4 審査会に委員長及び副委員長1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

5 審査会の委員の任期は、議長に対し審査事案の審査結果の報告を終了したときまでとする。

(遵守義務違反の審査等)

第9条 審査会は、前条第1項の規定により審査を付託されたときは、遵守義務に違反する行為の存否及び必要な処置について審査する。

2 審査会は、審査対象議員に弁明の機会を与えなければならない。

3 審査会が遵守義務違反があると決定した場合の審査対象議員に対する措置は、次のとおりとする。ただし、2以上の措置をあわせて講じるよう決することを妨げない。

(1) 議場における議長の注意

(2) 議場における謝罪文の朗読

(3) 議員が就任している職で議長が別に定める職の辞任勧告

(4) 議員辞職勧告

4 審査会は、審査の結果について議長に報告するものとする。

5 審査会は、遵守義務違反がないと決したときは、関係議員の名誉を回復する処置を、合わせて決定しなければならない。

6 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後もまた同様とする。

(審査対象議員の協力義務)

第10条 審査対象議員は、審査会から審査に必要な資料の提出又は委員会への出席を求められたときは、これに従うものとする。

2 審査会の委員長は、審査対象議員が前項の要求を拒否したとき、又は虚偽の資料の提出若しくは陳述をしたときは、その旨を公表するものとする。

(審査結果の措置等)

第11条 議長は、審査会から審査の結果の報告を受けたときは、その審査結果を議会に諮らなければならない。

2 議会は、前項の議決に際しては、審査対象議員に弁明の機会を与えなければならない。

3 議長は、第1項の規定による議決をした日から7日以内に、審査請求をした請求代表者に議決結果を送付するとともに、その概要を速やかに公表しなければならない。

(委任)

第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に議員である者に対する第4条の規定の適用については、第4条中「議員の任期開始の日」とあるのは、「この条例の施行の日」とする。

3 第6条の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)において現に指定管理者に指定されている法人等(以下「対象法人等」という。)の取締役等をしている議員に対しては、施行日から次の各号のいずれか早い日までの間は、適用しない。

(1) 対象法人等が施行日において受けていた指定管理者としての指定に係る期間が終了した日

(2) 対象法人等の取締役等をしている議員が取締役等でなくなった日

(平成31年3月22日条例第2号)

(施行期日)

第1条 この条例は、平成31年4月1日から施行する。

(大月市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

第2条 大月市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年大月市条例第25号)の一部を次のように改正する。

別表第1特別職報酬等審議会の項の次に次のように加える。

大月市議会議員政治倫理審査会

学識経験者の委員

日額

10,000円以下の範囲内で市長が定める額

公募の委員

日額

3,000円

大月市議会議員政治倫理条例

平成25年9月11日 条例第35号

(平成31年4月1日施行)